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2008/04/23 日記<トヨタ・GT-One_TS020>
トヨタ・GT-One_TS020
トヨタGT-One(通称TS020)は、トヨタ自動車のレース子会社であるトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)が1998年に当時のGT1規定に沿って開発したレーシングカー。建前上はグランドツーリングカーとなっているが、実態はプロトタイプレーシングカーである(1999年はプロトタイプとしてエントリー)。トヨタ・TS010|TS010の流れを汲むレーシングスポーツカーとして、TS020と呼ばれる。
マシン
設計はプジョー・905等を設計したアンドレ・デ・コルタンツ。ダラーラが製作に関わったモノコックは屋根まで剛性を持たせた完全一体型で、後方にエンジンをストレスメンバーとして剛結。ボディは地面効果|グランド・エフェクトを最大限に利用した複雑なデザインで、GTとしては画期的だった。足回りは前後ともプッシュロッド型ダブルウィッシュボーン式サスペンション|ダブルウィッシュボーンを採用し、フォーミュラカーの様な長いアームを持つ。横置きシーケンシャル6速の自社製トランスミッションを使用し、独メガライン社製空気圧作動式パドルシフトシステムを採用した。しかし徹底的に性能を追求した為に居住性や整備性は劣悪だったという。1998年はGT1規定でエントリーしたために欧州連合|EU法規に合致させたロードバージョン(市販車)も1台製作されたが、その外見はレーシングカーそのものであり、とても公道を走るための市販車には見えない姿で話題を呼んだ。もちろん、このモデルが実際に市販されることはなかった。エンジンはグループC用のR36Vを改良したR36V-Rを使用。R36V-Rには新たにフレッシュエアシステム(ミスファイアリングシステム)が採用されたが、1998年はそれが原因で燃費に苦しんだ。また、1999年型はリストリクターの取り付け方法変更が認められた為、出力が30ps程向上している。
成績
1998年のル・マン24時間レースにはGT1クラスで参戦し、際立った速さを見せたが懸念されていたミッショントラブルが多発、ミッション交換でその場をしのぎティエリー・ブーツェンらのドライブするマシンがラスト1時間までトップを走る活躍を見せるが、またもミッションを壊しコース上でストップ、あえなくリタイヤ。最終的には片山右京・鈴木利男・土屋圭市組が総合9位に食い込むに留まった。1999年にはLMGTPクラスで参戦、1インチ小さくなったタイヤと燃料タンク容量が10リッター削減された規定に合わせて細部をリファインした改良型を投入。他のワークス勢が新型車を投入するなか、予選において1日目のみ予選仕様で挑みながらもフロントロウ独占するなど圧倒的な速さを見せ付けた。しかし、本戦では本命視されていた1号車がトランスミッションの油圧系のトラブルによる修理ために戦線離脱し大きく順位を落とした、修理後に復帰するもスピンをしてタイヤがバーストしてリタイア、バックアップの2号車は下位クラスの車に追突されたクラッシュによりリタイアをした。これによりバックアップのバックアップのはずであった片山右京・鈴木利男・土屋圭市のドライブする3号車が1位、2位で前を走るBMW V12 LMR 17号車、15号車をチームの指令もあり追撃を開始する。BMW2台に周回遅れにされていたが1周での他を圧倒する速さを武器に徐々にその差を詰めていった。残り約1時間で17号車のリタイアによりトップを走ることになったBMW15号車を22秒差まで迫り、ラップタイム差と残り時間のピットインの回数の計算によりゴールの16時の時点ではトップに立てるはずだった。しかし、片山右京がドライブするTS020はミュルサンヌ先のストレートを走行中に328km/hの速度で左後輪のタイヤが突如としてバースト。彼の咄嗟のマシンコントロールによりスピンは免れたものの、バーストしたタイヤがタイヤ周辺のボディ、機器類にダメージを与えており、ピットでの修復が終わる頃には再び差が開いてしまっていた。惜しくも総合優勝を逃したが総合2位に食い込み、日本人3人組での最高位記録を更新した。また、片山右京はファステストラップタイムを記録し、TS020の速さを証明した。ちなみに、この3号車のモノコックは前年にブランドル組が使用したものである。また、この年には富士1000km|ル・マン富士1000kmにもエントリーしたが、バッテリートラブル、黄旗追越によるペナルティによりまたも2位に甘んじた。
トリビア
リアセクションは、キャビンが後半部より急激に絞り込まれ、また極端に薄いデザインとなっている。これは、当時のレギュレーションにおいて「GT1クラスの車両は、規定容量以上のトランクスペースが必須」であると同時に、「レース用燃料タンクの設置場所は、トランクスペースでもよい」という、ルールブックの隙間を突く形で実現されている。具体的には、運転席の後ろに確保された、わずかな空間をトランクスペースとして申請し、そこへレース用燃料タンクを配置することで、リヤセクションの特異なスタイルを実現している。そのデザインは、1994年のワークスシャシーのポルシェ962Cに保安部品をつけただけの「GT」、ダウアー962GTを思い出させ、当時の他のエントラントから非難が殺到。また、既にホモロゲーションが有名無実化していたGT1クラスが、1999年度よりGTPクラスへと改定される契機となった。
関連項目
トヨタ・TS010
日産・R390
日産・R391
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